設定ファイルを使用する目的
UiPathに限らずRPAでは業務担当者のメールアドレス情報やRPAで使用しているファイルパスなどの特定の情報を直接変数に指定することがあります。
しかし場合によっては上記の方法には大きなデメリットが存在します。
例えば業務担当者に変更が発生した場合、業務担当者のメールアドレス情報をXaml内で直接変数に指定しているとUiPathのAutomationDeveloperライセンスが紐づく端末で対象のXamlを直接開いて、内容を修正する必要があります。
1つの情報を変更するだけなのに、とても非効率で手間が掛かってしまいます。
こういった問題を解決するための一つの方法が、設定ファイルの使用です。
設定ファイルにはメールアドレスやファイルパスなど、変更する可能性が高い情報を記載しておきます。
そしてUiPathでは上記ファイルを読み込む仕様にすることで、変更が発生した際にはファイル更新するだけで良くなり、効率的に対応することが可能になります。
設定ファイルに保存する情報の種類
それでは設定ファイルに保存する情報の取捨選択はどうすれば良いでしょうか。
私達が普段、設定ファイルに書き出す項目の種類を以下に示します。
【頻繁に変更される値】
- 処理結果の送信先メールアドレス
- 一部処理の実施要否を判定するフラグ
- エラー時のリトライ回数 など
【変更の頻度は高くないが、変更が発生する可能性のある値】
- ファイルパス
- URL など
設定ファイルの書き方
情報の取捨選択ができましたら、実際に設定ファイルを作成しましょう。
私達が普段使用している設定ファイルは、以下3列で構成されております。
それぞれの役割を記載しますので、参考にしてください。
※あくまで参考情報として設定ファイルのイメージ画像を貼付しておりますが、設定ファイル上にパスワードを記載して良いかは、ご自身の環境内で定められているセキュリティーポリシーに乗っ取ってご判断ください。
※設定ファイル自体にパスワード設定することにより、セキュリティも向上します。
【Key】
UiPathでValue列の情報を取得する際に必要となる列
【Value】
設定ファイル上で保持したい情報を記載する列
状況の変化に応じて、こちらの列情報のみを変更します。
【Description】
行毎にどのような情報を設定ファイル上に保持しているか、説明用の列
設定ファイルの読み込み方法
以下画像の通り、まずは「Excelアプリケーションスコープ」と「範囲を読み込み」アクティビティを使用し、設定ファイルの内容をDataTable型の変数に格納します。
続いて「代入」アクティビティを使用したDictionary変数の初期化後、「繰り返し(データテーブルの各行)」および「代入」アクティビティを使用し、DataTable型変数に格納されている情報をDictionary変数に格納していきます。
以上でUiPathでの読み込み設定は完了です。
※この時「代入」アクティビティの左辺には「dicSettings(CurrentRow(“Key”).ToString.Trim)」、右辺にはCurrentRow(“Value”).ToString.Trim」を設定しております。
格納したデータを使用する際は、以下の画像の通り、設定ファイル上で指定した「Key」情報をDictonary変数に渡してあげることで
「Value」情報が戻り値として戻ってきます。
その他補足事項
設定ファイル上に記載する情報の順序に関してですが、基本的には順不同ではなく、情報の種類毎に纏めて記載すると分かりやすくなります。
※例)XXシステムのURL、ログインID、パスワードは纏めて記載するなど
また設定ファイル上で保持する情報量が多くなってしまう場合は、情報の種類単位でシートを分けるのも良いかと思います。