UiPath StudioにおいてWebブラウザ上「クリック」アクティビティで画面遷移したり、ファイル出力ボタン等を押下したりしてファイルをDLする処理をロボットで実行することが可能なのですが、その場合にWebブラウザ上で設定しておいた方がよい項目があります。
本記事では上記項目と併せて、ファイルを保存する際の保存先指定方法について記述いたします。
まず、Webブラウザ上よりファイルをDLする際、ファイル保存時のダイアログ表示有無を端末の設定によって変更（設定）することが可能です。
結論から記述すると、全ての実行端末のWebブラウザにおいて「ファイル保存ダイアログを表示する」設定にすることを推奨いたします。
先ほど「全ての実行端末のWebブラウザ」と記述した通り、ファイル保存ダイアログが表示するか否かはその端末によって異なり、保存時の挙動（画面状態）も異なります。
▼Chrome-保存ダイアログが表示しない設定でのDL時
▼Chrome-保存ダイアログが表示する設定でのDL時
▼Edge-保存ダイアログが表示しない設定でのDL時
▼Edge-保存ダイアログが表示する設定でのDL時
※上記で「名前を付けて保存」をクリックすると以下のファイル保存ダイアログが表示する
仮に複数端末で同じロボットを動作させる場合、実行端末Ａではファイル保存ダイアログを表示するのに対し、実行端末Ｂではファイル保存ダイアログが表示しないのであれば、双方を想定したフローを構築せねばなりません。
更に、ファイル保存ダイアログを表示することが正しい挙動なのか、それとも表示しないことが正しい挙動なのかが端末によって異なる状態ですと、適切なエラーハンドリングを実装すること、及び、エラー発生時の対応を明確にすることができません。
そのため、ロボットにWebブラウザ上よりファイルをDL・保存する処理を組み込む場合、全ての実行端末においてファイル保存ダイアログ表示有無の設定は共通化する方がよいと言えます。
以下にChromeとEdgeにてファイル保存ダイアログの表示有無設定方法の手順を記載します。
【保存ダイアログ設定方法-Chrome】
①Chromeを起動し、URLバーに以下を入力し遷移します。
chrome://settings/downloads
②ダウンロード設定の画面にアクセスされるため、「ダウンロード前に各ファイルの保存場所を確認する」の右側のトグルをONにするとファイル確認ダイアログを表示する設定にできます。
以下画像ではOFF（ファイル確認ダイアログは表示しない設定）になっています。
③Webブラウザタブを閉じて終了
【保存ダイアログ設定方法-Edge】
①Edgeを起動し、URLバーに以下を入力し遷移します。
edge://settings/downloads
②ダウンロード設定の画面にアクセスされるため、「ダウンロード時の動作を毎回確認する」の右側のトグルをONにするとファイル確認ダイアログを表示する設定にできます。
以下画像ではOFF（ファイル確認ダイアログは表示しない設定）になっています。
③Webブラウザタブを閉じて終了
そして、ファイル保存ダイアログは前述のように「表示する」設定にすることを推奨いたしますが、それは以下画像のように保存ダイアログのファイル名欄へフルパスを入力することで保存先を指定できることから汎用性が高いという点が理由として挙げられます。
例えば、「DL_Test.txt」ファイルをパブリックのドキュメントフォルダ「C:\Users\Public\Documents」へ、「DL_Test_OK.txt」というファイル名で保存したい場合、ファイル保存ダイアログのファイル名欄へ「C:\Users\Public\Documents\DL_Test_OK.txt」と入力し、「保存」ボタンを押下することで当ファイルは左記に保存されます。
このように、保存ダイアログ内のファイル一覧を「クリック」アクティビティを用いてクリックせずとも任意の場所へ保存が可能なため、ロボットの動作も安定しやすくなります。
UiPath Studio・ロボットにてWebブラウザ上よりファイルのDL操作を行う際、本記事をお役立ていただければ幸いです。
